比叡山の教育方法
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教育は、前半6年と後半6年とに二分され、初めの6年間は学問に集中する。お経や経論を学び知識を習得する。ただし、1日の学習時間のうち3分の1程度は仏教以外の一般的学識を学ぶ。 後半の6年間は、今度は書物は一切捨てよ、お経を去れ、と教えられる。そして、お経の中に書かれている意味や、これまで学んだ知識について自分で思案し、さらに実行することを求められる。 つまり、最初の6年はいろいろ厳しく勉強させられるが、後の6年は放ったらかしにされるのである。これによって、これまでに習ったことの応用力を自分自身で発明する。そして、最後にいわゆる卒業試験が行われる。 今の学校教育では比叡山教育の後半の6年に当たるものがほとんど行われていない。だから、借り物の薄っぺらい知識しか身につかず、応用がきかない。 ある女子学生がイギリスに行って、日本のことをいろいろきかれたが、ほとんどまともに答えられなかったという話を卒業生から聞いた。 高校で日本史を習っても、外国人に日本の歴史一つ説明できない。
なぜか? 自分の知識となっていないからである。もっと自分の頭で考え、議論し、脳みその奥深くに突き刺さるような、本物の学力にまで高める必要がある。
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